

制作ノート
“押し込めていく
下に、下に
海の深い底まで落ちていくように
きっと醜い深海魚ですら自分をつつこうとしない
やがて自分自身も分からなくなっていく
麻痺していく
そうやって、静かに私はやり過ごしていく”
時々、自分の中に暗い感情の大きなうねりが生まれて、自分でもどうすれば良いのか分からなくなることがある。もやもやを吐き出す場所も方法も分からず、できることといえば心の奥深くに押し込んで、気づかないようにすることだけ。けれど、自分でも分かっている。奥深くに押し込んだだけで、なくなったわけではないことを。それはいつでもきっかけさえあれば止めどなく溢れ出てくることを。
そんな思いが、短編映画『Natsuko』の脚本を書くきっかけでした。
この作品は主人公・夏子の、これからも長く続く彼女の日常の、ほんの二日間を描いています。劇的な変化があるわけではないけれど、変化を求めて前進しようとする彼女を思いながら制作しました。
ー 飯島珠奈
キャスト

夏子役 - 竹下かおり
関⻄芸術座附属演劇研究所を経て、舞台に多数出演する。 『それでもボクはやってない』(周防正行監督)で映画初出演。 以降、数々の国際映画祭で注目される作品に出演している。 自身が主演を務めた『ガーデンアパート』(石原海監督)はロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア後、テアトル新宿を皮切りに全国ミニシアターで公開された。
脚本&監督 - 飯島珠奈
東京在住の俳優。ロンドンで舞台演劇・身体表現を学び、帰国後は主に映画に出演している。主演を務めたアンシュル・チョウハン監督映画『東京不穏詩』では、大阪アジアン映画祭はじめ国内外の映画祭で女優賞を受賞。本作品『Natsuko』は初監督作品である。


撮影監督 & 音楽 - SAM KING
Sam is a documentary filmmaker and cinematographer based in Tokyo, Japan since October 2016. Specialising in music, he has worked on projects for Resident Advisor, FACT Magazine, Vinyl Factory, NTS Radio, Red Bull, Ableton and many more.
As a musician he’s played in many different outfits over the years, and the soundtrack for “Natsuko” is his first ever composition for film, recorded at his home studio in Setagaya ward in Tokyo.
予告編
本編

キャスト&スタッフ
監督 : 飯島珠奈
脚本 : 飯島珠奈
撮影監督 : Sam King
撮影助手 : Thomas Beswick
録音 : Steven LeFever
編集 : Rim Fyend
サウンドミキサー : Rob Mayes
カラリスト : John Donica
音楽 : Sam King
キャスト : 竹下かおり
2021 | カラー | 16分 | デジタル | 1.9:1 | ステレオ | 日本語

NEWS
2022年
7月28日 ニューヨーク・アジアン映画祭にて上映
3月12日、15日 大阪アジアン映画祭にて上映
2021年
3月28日 グラスゴー短編映画祭にて上映(ワールド・プレミア)